ブロック塀の基礎知識

1.塀に掛かる力

塀に掛かる力

塀には、自然界からの力だけではなく、人為的な力も作用します。さらに、長い年月をかけて、徐々に性能を低下させるものもあります。安全なブロック塀はすべての力に対し抵抗できるものでなければなりません。

2.塀の役割

塀の役割は、外から作用する力より人々を守り、安心して暮らすことのできる環境をつくることです。塀と私たちが共存できることが大切です。また、狭い国土に生活する我が国では、敷地境界の表示も重要な役目です。

3.ブロック塀はなぜ転倒しやすいか

ブロック塀は、厚さに対する高さの比が大きく、超高層ビルよりもスマートです。このため、横からの力に対する抵抗力が小さく、倒れやすくなります。抵抗力を高めるためには、基礎を地中深く埋め込むことが大切です。

4.ブロック塀の重さ

塀には、自然界からの力だけではなく、人為的な力も作用します。さらに、長い年月をかけて、徐々に性能を低下させるものもあります。安全なブロック塀はすべての力に対し抵抗できるものでなければなりません。

5.ブロックの種類

塀の役割は、外から作用する力より人々を守り、安心して暮らすことのできる環境をつくることです。塀と私たちが共存できることが大切です。また、狭い国土に生活する我が国では、敷地境界の表示も重要な役目です。

6.ブロックの品質

ブロック塀は、厚さに対する高さの比が大きく、超高層ビルよりもスマートです。このため、横からの力に対する抵抗力が小さく、倒れやすくなります。抵抗力を高めるためには、基礎を地中深く埋め込むことが大切です。

7.ブロック塀の仕組み

①地盤は、塀全体を支え、基礎から一体となった塀の転倒に抵抗する役目を果たします。従って、大きな支える力(地耐力)が要求されます。特に、軟弱地盤のところには、大きしっかりとした基礎を設けましょう。地耐力は、次のような簡易法により、およその判別ができます。
良質土:スコップを強く踏んでようやく掘ることができる。
普通土:スコップに力を入れて掘ることができる。
軟弱土:スコップで容易に掘ることができる。

②たて筋は、壁に作用する横力に抵抗する重要なものです。基礎から壁頂まで1本の鉄筋を曲げることなく配置します。特に、基礎と最下段ブロックとの接合部には、曲がりやさびがよく認められますので、注意しましょう。

③また、たて筋は、建築基準法並びに日本建築学会・ブロック塀設計規準の規定を満足するように配置し、次の点に留意しましょう。
A. 基礎へ確実に定着する。
B. 壁頂部のよこ筋へカギ掛けする。

④よこ筋は壁体の長さ方向を強固に一体化するもので、控え壁がある場合は、特に重要な役目をします。また、よこ筋は、通常80cm以下の間隔で配置します。

⑤かさ木は塀本体へ雨水等が浸入するのを防ぎ、ブロック及び鉄筋を保護します。かさ木は、壁体へ確実に固定します。かさ木には、浮きや欠落がよく見られます。注意しましょう。

⑥控え壁(控え柱)は塀の転倒に対する抵抗力を増すために、長さ3.4m以内毎に設けます。控え壁にも鉄筋を配置し、塀本体と強固に一体化します。また、塀本体と同じ堅固な基礎を設け、反対側への転倒に対する抵抗力を確保します。

⑦透かしブロックの多用は、壁体の強度を低下させます。特に、連続した配置は、たて筋の適正な配置を困難にします。

⑧充てんモルタルは、鉄筋とブロックとを一体化させるもので、強固な壁体をつくるとともに、鉄筋を保護する役目を果たします。鉄筋の周辺部にモルタルが密実に充てんされないと、塀の強度低下や劣化を早めることになります。

8.ブロック塀の基準

ブロック塀が瞬時に倒れないための最低条件は、建築基準法に定められています。さらに、日本建築学会では建築基準法を補足するものとして「コンクリートブロック塀設計規準」を制定しています。

① 壁厚と高さ
ブロックの厚さ(cm) 塀の高さ(m)
15以上 2.2以下
12(10)以上 2.0以下
※注 下線部は建築基準法による
②縦方向の鉄筋感覚
空洞ブロック 化粧ブロック
縦筋間隔 ブロック長さ 縦筋間隔
40(80)以下 40,50,60以下 60以下
90以下 45以下
※注 下線部は高さ160cm以下の場合である
9.ブロック塀の高さ

解説
ブロック塀に横方向の力を加え引き倒したときの横力(Q)と水平変位との関係をモデル的に示すグラフです。建築基準法を守った健全なブロック塀(イ)は、横力に対し粘り強く抵抗します。しかし、鉄筋の入っていないブロック塀(ロ)は、小さな横力で瞬時に倒壊します。